令和2年7月1日に、令和元2年分の路線価が国税庁より公表されました。
福岡都市圏の地価は、コロナ禍にもかかわらずかなり堅調な水準での取引が継続しています。
ここ数年、その年の福岡都心部の路線価が前年度の路線価と比較してどのように変化したかについて記事を書かせて頂きましたが、
今年も、同地点の令和2年度の路線価が平成1年度と比較してどのように変化したか、調べてみました。
なお、令和2年分の路線価は令和2年1月1日を基準日としており、コロナの影響が反映されていない点は要注意です。
最初に、弊所のある場所の路線価です。弊所は福岡市中央区高砂、地下鉄渡辺通駅と西鉄及び地下鉄の薬院駅の近辺に位置しております。商業地と住宅地が混合しているエリアで、都心から一駅程度離れているエリアです。
弊所のある場所の路線価ですが、
令和元年度から1年間の路線価上昇率:28.5万円→35.0万円(22.8%の上昇)
ここ数年間、前年比1割前後の上昇となっていましたが、令和2年度は2割以上の上昇となりました。
平成28年度と比較すると6割以上の上昇となっています。
次に、福岡市最大の繁華街天神で、渡辺通りのパルコ横の路線価の上昇率です。
結果、
令和元年度から1年間の路線価上昇率:787.0万円→880.0万円(11.8%の上昇)
こちらは、ここ数年間1割強の上昇率が続いており、3年前の平成28年度と比較すれば6割程度の上昇率となっています。
最後に、九州新幹線の開通と前後した駅前再開発や、地下鉄七隈線の延伸で近年勢いがある博多駅近辺について、大博通りの日航ホテル横の路線価です。
結果ですが、
令和元年度から1年間の路線価上昇率:441.0万円→533.0万円(20.8%の上昇)
こちらは1年間で18.2%ですが、ここ毎年、毎年対前年比ほぼ2割の上昇率となっており、平成28年度と比較するとついに2倍超となりました。
もっとも、博多駅近辺は中央区や都心周辺部と比べコロナによる旅行需要等の減少の影響が大きいエリアで、今後の地価動向は気になるところです。
相続税は相続財産の評価額に応じた累進課税となっているため、相続税額への影響率は、路線価の上昇率以上となります。
今後、コロナの影響が路線価にどう反映されるかは要注目ですが、少なくとも福岡の都心部について、ホテル需要により不動産価格が異常に上振れして決まることはなくなったとしても、全体感として地価は概ね堅調で、少なくとも現時点路線価の大幅な下落は期待しづらいかと考えます。
福岡の都心部に不動産をお持ちの方は、引き続き、3年前の地価を前提にした相続対策でさえ、もはや使い物にならないと考えておいた方が無難かと思われます。